AEC(ASEAN経済共同体)がもたらすメリットと課題

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[2014年10月5日(日)]

2015年12月に発足予定のAEC(ASEAN経済共同体)の4つの大きな目標は以下のとおりです。

■単一の市場と生産ベース

■競争力のある経済地域

■世界経済への統合

■地域全体にとって不可欠である対外貿易における各国の均等な経済発展


AECは何を提供することができますか?
ASEANは2.3兆USドルの経済規模をもち6億1600万の人口を抱えております。2012年には5.4%の平均実質GDP成長率、そして域内の一人当たりGDPは3,745USドルと推定されています。これらはグローバル企業のマーケティング担当者にとって強烈なプル要因となります。

世界のアセアン以外の他の国や他地域がバラ色の成長戦略を描けていない一方、アセアン諸国の成長戦略は上昇基調と言えます。
控えめに考えても、その中長期的な見通しや健全なファンダメンタルズからアセアン諸国はより健全に見えます、

AECの出現に伴い、アセアンの10か国は海外直接投資のための世界のなかで最も魅力的な地域として位置づけられるでしょう。
チョンノンシー


2015年のAEC発足による企業や投資家のメリット


AECの目標の一つ – お米など繊細な農産物品目を除いた域内の関税削減は目を見張るべき大きな成果です。
非関税障壁の自由化や人や資本の移動についてはまだ遅れていますが2014年から2015年にかけて状況が進展するかもしれません。


物品の貿易自由化は、すでに2011年に実現されています。アセアン諸国の総貿易取引の25パーセントは域内貿易となっております。
シンガポール、マレーシア、タイの間の貿易は最も開放的なものです。ベトナム、カンボジア、ブルネイ、ラオスはGDP比率でほぼ100パーセントの割合で経済開放を増大させています。
残りの3カ国 – インドネシア、フィリピン、ミャンマーの開放度は現時点では比較的低い状況ですがインドネシアはその経済規模から域内貿易の大きな潜在能力を秘めています。

トヨタ、ホンダ タイ

自動車産業の事例



イラストは2015年のAECで潜在的な利点 アセアン諸国に複数拠点をもつ企業を事例に見てみましょう。
最良の事例は長らく日本企業が牛耳っている自動車産業でしょう。
上の図は典型的な自動車製造のネットワークを表しています。インドネシア、マレーシア、フィリピンで部品製造を行いタイで組立を行います。
AECの完全な実現によりそんな域内連携をさらに増大させることができます。私たちはそのビジネスモデルをAEC発足によって大きく変えることができるかもしれません。
インドネシアの大規模な国内市場を視野に入れている企業はインドネシアへその生産をシフトしていくことも可能です。

トヨタ タイ サムットプラカーン


AECがもたらすもう一つの利点は、単一市場としてのASEANの位置付けです。
国際通貨基金(IMF)によると、最終消費者としての旺盛な内需から域内貿易は増加する一方です。
この旺盛な内需は将来、ASEAN統合の強力な推進力になることを示唆しています。
この推進力はきっとインドネシア、タイ、フィリピンの中間所得層の消費者の成長によって主にもたらされます。


日本のJETROによると2013年1月から6月の日本のアセアンへの直接投資は55,4%増え100億2900ドルとなっており、同時期の中国への2013年半期の直接投資が40億9300億ドルと31.1%前年比で減少しています。
これは日本の財界や官僚が一致して中国から他の成長地域へ投資を移していることが伺えます。
また、2011年の領土における衝突やレアアースの禁輸といった出来事も影響を与えているかもしれません。

日本といくつかのアセアン諸国の一部には領土紛争が存在しましたが、アセアン諸国は日本企業にとって魅力的な代替生産拠点となっております。
中国がレアアース輸出において支配的な状況を続ける一方、例えばオーストラリアの商社ライナスによるマレーシアのレアアース工場は中国の代替生産拠点として既に中国や他の国の力に匹敵するほどの力を見せています。

また特に世界規模の研究開発(R&D)や物流において、投資家は世界銀行による”世界物流インデックス2012”で首位のシンガポール(参考:マレーシア29位、タイ38位)をはじめとするアセアン諸国の魅力的な立地環境や研究開発のための有能な研究者を多く確保している環境に着目すべきです。



シェダゴンパゴダ

アセアンでの日本の取り組みは日本の首相、安倍晋三による2013年5月のミャンマー訪問からも理解できます。
ミャンマーへの約20億ドル相当の円借款に加え、無償資金協力を行うことを発表しました。
その見返りに日本は将来の工業団地として発展が期待されるにティラワ港などへの日本の商社の進出を求めています。

アセアンの域内貿易は1990年の17%から2011年の25%まで成長しています。アセアンの域内貿易の87.7%はインドネシア、タイ、マレーシアとシンガポールのシェアで占められています。
しかし、アセアン内部での関税障壁の撤廃と同様、アセアンの域外国との自由貿易協定数はいくつかの地域での特定の商品において進展がみられるもののまだ多くの課題を抱えています。

2つの遅れている部分はより一層の非関税障壁の撤廃とサービス、投資の自由化です。
各国とも国内産業保護の圧力は依然として高く、投資規制においてまだ透明性や標準化がなされていない状態です。

法や規制の整備の欠如も障壁となっていいます。
またアセアン諸国の各国の経済発展の違いや言語の大きな違いはAEC声明が目指すような一体化した経済圏を創り出すことへの進展を立ち遅らせています。

アセアン諸国は例えばヨーロッパのローマ帝国のように政治、法律、言語や宗教において共通のシステムのもと統合されたことは過去に一度もありません。

アセアン諸国のグループ化の根源は1950年代の共産主義の台頭への対抗であり、それはSEATO の形成に結び着きました。
また1990年代の地域間経済協力への動機は中国に対する脅威からです。

スワンナプーム空港


現実的に考えれば、2015年末のアセアン統合は困難が伴うものになるでしょう。
中国の台頭と世界貿易における直接投資の増加により、アセアン諸国は地域内でもそのシェアの競争をしています。
特にそれは投資と観光業において顕著です。アセアンは地域間の協力を促進させるような文化や歴史の共有を持ち合わせていないのです。
直接投資のための競争は主にシンガポール、タイ、マレーシアの間で行われております。


2020年代の前というとてもタイミングが良い地域統合の実現ではありますがその成功は無数のファクターにより状況が変化します。
そのファクターとはアセアン域内で特化された貿易やより発展した域内の政治関係などが含まれます。


そして、アセアンの形成の動機と同様に中国と加盟国間の関係はアセアンがより成長するか否かに決定的に重要な役割を果たすでしょう。
仮に加盟国の一国が中国と強力なパートナーシップを構築できたしたら、域内協力の不足によりAECはその魅力を失ってしまうかもしれません。
各加盟国が高成長を続ければ地域統合の意思や欲求が逆説的に先細りすることにもなり得ます。

換言すると、統合された経済共同体を構築させることに成功するには域内国を経済的に安定させることができるかに拠るともいえます。

AECは2015年に間違いなく発足するでしょう。しかし、その成果は予測しがたい沢山の要因があるために2015年以降明らかになるでしょう

参考:spireresearch.com

以上から、
更なる非関税障壁の撤廃や法整備等課題があるものの、2015年のAEC発足によりタイの中間層の旺盛な消費はより一層高まることが予想されております。また海外からの更なる投資も期待されます。
弊社のコンドミニアムを購入する層は主にタイの中間層であり、賃貸で部屋を借りる層も同様に中間層となります。AECの恩恵を受けることができれば内需が拡がりコンドミニア購入やより高い家賃の部屋を借りるといった住居/不動産においても好循環が起きることが予想できます。

バンナーの新都心計画、スカイトレインの延伸工事と共にAEC発足はこのバンナー~ベーリン~サムローン~サムットプラカーンの成長のファクターをなっております。
弊社は戦略的にタイ人中間層の実需に見合ったコンドミニアム開発を続けてまいります。




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